专利摘要:
本発明は、治療活性を有する大環状化合物と、癌、腫瘍、細胞増殖関連疾患、およびHDAC介在疾患などの疾患の治療方法とに関する。
公开号:JP2011516550A
申请号:JP2011504011
申请日:2009-04-10
公开日:2011-05-26
发明作者:ルーシュ,ヘンドリック
申请人:ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレイテッド;
IPC主号:C07D513-18
专利说明:

[0001] (関連出願の相互参照)
本願は、2008年4月11日出願の米国仮特許出願第61/123,956号、および2008年4月24日出願の同第61/125,457号の利益を主張するものであり、これら出願の全教示内容は、参照することで本明細書に組み入れられる。]
[0002] (連邦政府後援の研究によってなされた発明に対する権利に関する申立て)
本研究は、部分的に米国商務省NOAA海洋大気圏局、助成金番号:NA06OAR4170014の支援を受けた。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。]
背景技術

[0003] 新規ファーマコフォアの同定は、生物医学的に極めて重要であり、近年、この試みにおいて天然産物が再び注目されている。1この復興は、おそらく、化学的多様性に付随した比類なき生物学的多様性をはぐくむ海洋環境の開発に成功していることと密接につながっている。2特に、海洋シアノバクテリアは、生物活性の二次代謝産物の大量生産者であり、3該代謝産物の多くは、ドラスタチン10、4クラシンA、5およびアプラトキシンAなどの、有望な抗腫瘍活性をもつ修飾ペプチドまたはペプチド−ポリケチド融合化合物である。6フロリダにおけるシアノバクテリアからつながる新薬を同定するための進行中の調査結果から、新規の化学的足場とナノモル抗増殖作用とをもつ海洋シアノバクテリア代謝産物の構造決定と予備的生物学的特徴とについて報告する。これらの知見により、増殖性疾病および疾患の治療におけるアンメットニーズに対応するための新たな選択肢をもたらす。本明細書の化合物は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)プロセス(例:阻害)を媒介することも分かっており、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害により媒介される疾病、疾患、またはその症状の治療に有用である。これらの知見により、HDAC介在性疾病および疾患の治療におけるアンメットニーズに対応するための新たな選択肢をもたらす。]
[0004] 本発明は、大環状化合物と、該化合物およびその組成物を用いて、増殖性疾病および疾患や、HDAC介在性疾病および疾患を含む疾病および疾患の治療方法とに関する。]
[0005] 本発明は、大環状化合物と、増殖活性の調節方法と、増殖性疾病および疾患の治療方法とに関する。]
[0006] 一実施形態では、本発明は、式Iによる化合物:



式中:
各X1は独立して、N、O、またはSであり;
各X2は独立して、N、O、またはSであり;
各X3は独立して、N、O、またはSであり;
各Rは独立して、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルであり;
各R1は独立して、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルであり;
各R2は独立して、−SR、−SC(O)R、−SSR、−N(OH)C(O)R、−C(O)NH(OH)、またはSSR9であり;
各R3は独立して、H、置換基を有していてもよいアルキル、C(O)OR、またはC(O)NRRであり;
各R4は独立して、H、置換基を有していてもよいアルキル、C(O)OR、またはC(O)NRRであり;
各R5は独立して、R2で置換されたアルキルまたはアルケニルであり;
各R6は独立して、Hまたはアルキルであり;
各R7は独立して、Hまたはアルキルであり;
各R8は独立して、Hまたはアルキルであり;
各R9は独立して、



であり、




は独立して、単結合または二重結合であり;
各R10は独立して、OR、SR、またはNRRであり;
各nは独立して、0以上の10以下の整数であり;
およびその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物を提供する。]
[0007] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R5は独立して、



である。]
[0008] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、nは、0、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である。]
[0009] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、X1およびX2は両方ともSである。]
[0010] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、X1およびX2は両方ともSであり、X3はOである。]
[0011] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R8はメチルである。]
[0012] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R1はイソプロピルである。]
[0013] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R6およびR7は両方ともHである。]
[0014] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R3およびR4は両方ともHである。]
[0015] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R1はイソプロピルであり、R3およびR4は両方ともHであり、R6およびR7は両方ともHであり、かつ、R8はメチルである。]
[0016] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、X1およびX2が両方ともSであり、かつ、X3がOである場合、nは0、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である。]
[0017] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R1はイソプロピルであり、R3およびR4は両方ともHであり、R6およびR7は両方ともHであり、R8はメチルであり、X1およびX2は両方ともSであり、X3はOであり、かつ、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。]
[0018] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、R1はイソプロピルであり、R3およびR4は両方ともHであり、R6およびR7は両方ともHであり、R8はメチルであり、X1およびX2は両方ともSであり、X3はOであり、かつ、nは0、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である。]
[0019] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、X1およびX2が両方ともSであり、XがO3であり、各R5が独立して、



であり、かつ、nが2である場合、各R2は独立して、−SSR、−N(OH)C(O)R、−C(O)NH(OH)、またはSSR9である。]
[0020] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、X1およびX2が両方ともSであり、X3がOであり、各R5が独立して、



であり、かつ、nが2である場合、各R2は独立して、−SRまたは−SC(O)Rである。]
[0021] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R5は独立して、



である。]
[0022] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R5は独立して、



である。]
[0023] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R2は独立して、−SSR、−N(OH)C(O)R、−C(O)NH(OH)、またはSSR9である。]
[0024] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R2は独立して、−SRまたは−SC(O)Rである。]
[0025] 別の態様は、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R8は独立して、Hである。]
[0026] 別の態様では、式Iaの化合物(および、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物)であり、ここで、全ての変数(例、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびn)は、式Iで定義される通りである:]
[0027] 他の実施形態では、本明細書のいずれの式の化合物を含み、式中、R3およびR4はHであり;R1はイソプロピルであり;R2は−Sアルキルであり;R2は−SC(O)アルキルであり;R2は−SHであり;該化合物は表Aの化合物1〜8のいずれかである。]
[0028] 別の態様では、本明細書のいずれの式(例、式(I))の化合物であり、式中、各R9は独立して、



である。]
[0029] ある例では、本発明の化合物は、該構造を有する次の式(I)(式Iaを含む)から選択される:
表A]
[0030] 別の態様では、本発明は、式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。]
[0031] 他の態様では、本発明は、本明細書のいずれの式(例:式I、式Ia)の化合物を対象に投与する工程を含む、対象内の疾病、疾患、またはその症状の治療方法を提供する。別の態様では、対象の疾病、疾患、またはその症状を改善するのに十分な量および条件下で化合物を投与する。]
[0032] 他の態様では、本発明は、HDAC活性を調節するのに十分な量および条件下で、本明細書のいずれの式(例:式I、式Ia)の化合物を対象に接触させる工程を含む、対象のHDAC活性を調節する方法を提供する。別の態様では、調節は阻害である。]
[0033] 他の態様では、本発明は、増殖活性を調節するのに十分な量および条件下で、式Iの化合物を対象に接触させる工程を含む、対象の増殖活性を調節する方法を提供する。]
[0034] 一態様では、本発明は、有効量の式Iの化合物または医薬組成物を対象に投与する工程を含む、増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法を提供する。]
[0035] 別の態様では、本発明は、増殖関連疾患または疾病に対する治療が必要であると見なされた、増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法であって、前記対象が前記疾患に対して治療されるように、有効量の式Iの化合物または医薬組成物をそれを必要とする前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。]
[0036] 別の態様では、本発明は、細胞増殖関連疾患または疾病に対する治療が必要であると見なされた、細胞増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法であって、前記対象内の細胞増殖を調節(例:下方調節)するように、有効量の式Iの化合物または医薬組成物をそれを必要とする前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。別の態様では、本明細書に記載の化合物は、非形質転換細胞における癌細胞を優先的に標的にする。]
[0037] 特定の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載の化合物(例:式I)と、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする前記対象に投与する工程を含む、癌、腫瘍増殖、大腸癌、乳癌、骨癌、脳腫瘍、および他の疾患(例:骨肉腫、神経芽細胞腫、結腸腺癌)の治療方法を提供する。本発明の組成物および方法により治療され得る他の癌としては、噴門癌(例:肉腫、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫);肺癌(例:気管支原生癌、細気管支肺胞上皮癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫);種々の消化管癌(例:食道癌、胃癌、膵臓癌、小腸癌、および大腸癌);尿路性器癌(例:腎臓癌、膀胱癌、尿道癌、前立腺癌、および精巣癌);肝臓癌(例:肝癌、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例:骨原性肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、多発骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫);神経系の癌(例:頭蓋骨、髄膜、脳、および脊髄の癌);婦人科癌(例:子宮、子宮頸部、卵巣、外陰部、膣);血液癌(例:血液に関する癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫);皮膚癌(例:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、モルス異形成性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬);および副腎の癌(例:神経芽細胞腫)が挙げられる。治療可能な他の疾病および疾患としては、炎症性疾患、神経変性疾患、原虫感染並びにウィルス潜伏感染、および(線維)増殖性疾患の治療が挙げられる。]
[0038] 別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載の化合物(例:式I)と、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする対象に投与する工程を含む、前記対象内のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する方法を提供する。]
[0039] 別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載の化合物(例:式I)と、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする対象に投与する工程を含む、前記対象内のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害により媒介される疾病、疾患、またはその症状の治療方法を提供する。近年、HDAC阻害剤は、マウスモデルにおいて脊髄性筋萎縮症(SMA)、運動ニューロン疾患、およびハンチントン舞踏病の進行を改善することが分かってきた。HDAC阻害剤のニューロン保護の役割は、酸化ストレス、炎症、及びニューロン細胞アポトーシスの機構を共有する他の疾病にまで及ぶと思われる。HDAC阻害剤は、免疫系内の遺伝子発現においても広範囲にわたる調節効果があり、狼瘡および慢性関節リウマチ自己免疫疾患のモデルにおいてうまく用いられている。近年、HDAC阻害剤であるトリコスタチンAが、多発硬化症(MS)の動物モデル、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の疾患改善に有効であることが立証された。態様では、本明細書の化合物は、MS、自己免疫、およびヒト中枢神経系(CNS)の脱髄疾患ならびに変性疾患の治療に有用である。態様では、本明細書の化合物は、卒中の治療に有用である。他の態様では、HDAC阻害剤化合物は、記憶喪失を治療または予防する、神経形成を誘発する、神経変性を阻害する、記憶保持を高める、記憶形成を高める、シナプス電位またはシナプス伝達を増加させる、あるいは長期増強(LTP)を増加させるのに有用である。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は、細胞分化および細胞増殖を制御する種々の転写レプレッサとも関連している。HDAC阻害による遺伝子発現の調節は、幹細胞運命を制御し、分化、脱分化、または分化転換に影響を及ぼし得る。従って、本明細書の化合物は、再プログラム化効率を改善する;多能性幹細胞の効率的な誘発を可能にする;多能性幹細胞の増殖を停止させ、終末分化経路に入らせる;乏突起膠細胞への分化を阻害する、ここで、HDAC2活性は星状膠細胞への分化を特異的に阻害する;培養中のプライマリ細胞の表現型を安定化させる培地サプリメントとして用いる幹細胞治療において分化を高める;骨芽細胞成熟を促進する;骨組織工学を実施する;筋原性分化を誘発する;MyoD応答レポーターから転写の定常活性を上方制御する;および、ヒト造血幹細胞(HSC)のex vivo増幅を誘発するのに有用である。態様では、本明細書の化合物は、限定的ではないが、筋形成、神経形成、骨形成、および骨芽細胞成熟を含む、対象内の疾患の治療に有用である。態様では、本明細書の化合物は、癲癇、関節炎(例、関節リウマチ、同様の炎症性疾患)を含む、対象における疾患の治療に有用である。態様では、本明細書の化合物は、ニューロンへの分化をもたらし得るHDAC活性の阻害に有用である。]
[0040] 別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載の化合物(例:式I)と、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする対象に投与することを含む、前記対象内の疾病、疾患、または症状の治療方法を提供する。かかる方法は、記憶喪失を治療する、神経形成を誘発する、記憶保持を高める、記憶形成を高める、シナプス電位またはシナプス伝達を増加させる、あるいは長期増強(LTP)を増加させるのに有用である。かかる方法は、幹細胞運命に関連し、かつ、分化、脱分化、または分化転換によって影響を受ける疾病および疾患の治療にも有用である。該疾患としては、限定的ではないが、筋形成、神経形成、骨形成、および骨芽細胞成熟が挙げられる。]
[0041] 別の態様では、本明細書のいずれの式(例:式(I))の化合物は、クラスIのHDAC選択性を有する化合物である。従って、これらは、抗癌剤として有用である。さらに、クラスIのHDAC対クラスIIのHDACの選択性も有しており、ある特異のクラスIIのHDACの阻害が、例えば、心肥大の促進などの望ましくない結果をもたらし得ることが示されているため、より望ましい治療治療プロファイルももたらす。Furumaiら、Cancer Research 2002,62,4916−4921;Yurek−Georgeら、J.Med.Chem.2007,50,5720−5726を参照されたい。従って、一態様では、本明細書の化合物および方法は、化合物がクラスI/クラスIIのHDAC選択性において選択性(例:少なくとも2倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍、少なくともX倍、ここで、Xは、1以上100,000以下の任意の数である)を示すものである。]
[0042] 本明細書に記載の方法としては、対象が特定の治療の必要であると見なされているものが挙げられる。かかる治療が必要である対象の同定は、対象または医療専門家の判断であってよく、主観的(例:意見)または客観的(例:試験又は診断法により測定可能)であってもよい。]
実施例

[0043] (定義)
本発明をより容易に理解できるようにするために、特定の用語を最初に定義し、便宜上ここにまとめる。]
[0044] 本明細書で使用される、疾患を「治療する」という用語は、疾患、および/または、疾患を引き起こし得る状態を予防する、改善する、和らげる、および/または、管理することを包含する。「治療する」および「治療」という用語は、疾病、および/または、その付随症状を緩和する、または寛解する方法のことを言う。本発明によれば、「治療する」ことは、例えば、疾患による悪影響の発生を予防する、遮断する、阻害する、軽減する、該影響から保護する、調節する、該影響を反転させる、および減らすことを含む。]
[0045] 本明細書で使用される「阻害する」は、進行を予防する、軽減する、および止めることを包含する。]
[0046] 「調節する」という用語は、本発明の化合物への暴露に反応して細胞の活性を増減させることを言う。]
[0047] 「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」という用語は、本来の状態で見出されるような通常付随する成分を実質的にまたは本質的に含まない物質をことを言う。純度および均一性は、通常、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を用いて判断される。特に、実施形態では、化合物は、少なくとも純度85%、より好ましくは少なくとも純度90%、より好ましくは少なくとも純度95%、最も好ましくは少なくとも純度99%である。]
[0048] 「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書ではどれも同じ意味で使用し、アミノ酸残基のポリマーのことを言う。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学模倣体であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに対して適用する。]
[0049] 「ペプチド」は、少なくとも2つのアミノ酸の配列である。ペプチドは、タンパク質を含む短いアミノ酸配列のみならず長いアミノ酸配列からなり得る。]
[0050] 「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸のみならず、天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸アナログとアミノ酸ミメティックのことを言う。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされたアミノ酸のみならず、後から修飾されたアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン)である。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を有する(即ち、水素、カルボキシル基、アミノ基、R基にα炭素が結合している)化合物のことを言い、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムである。かかるアナログは、修飾されたR基を備えること(例:ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持している。アミノ酸ミメティックは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化合物のことを言う。]
[0051] 「タンパク質」という用語は、α−アミノと隣接する残基のカルボキシ基間のペプチド結合により互いに連結した一連のアミノ酸残基のことを言う。]
[0052] アミノ酸は、その一般に公知の3文字記号か、またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号のいずれかにより、本明細書中で言及され得る。]
[0053] アミノ酸配列について、当業者であれば、単一アミノ酸、または、コード化配列内の僅かな比率のアミノ酸を変える、付加する、または削除する、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列への個々の置換、欠失、または付加は、「保存的に修飾された変異体」であり、該変化により、アミノ酸を化学的に類似したアミノ酸に置換させることが分かるであろう。機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的な置換表は、当該技術分野では周知である。]
[0054] ポリペプチド構造などの高分子構造は、種々の構成レベルで記載可能である。このような構成に関する一般的な考察については、例えば、Albertsら、Molecular Biology of the Cell(3rd ed.,1994)and Cantor and Schimmel,Biophysical Chemistry Part I.The Conformation of Biological Macromolecules(1980)を参照されたい。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列のことを言う。「二次構造」とは、ポリペプチド内部の局所的に規則立った三次元構造のことを言う。これらの構造は一般にドメインとして知られている。ドメインは、ポリペプチドの密集単位を形成するポリペプチドの部分であり、一般に50〜350アミノ酸長である。典型的なドメインは、β−シートおよびα−ヘリックスの連鎖などのより小規模な構成物から構成される。「三次構造」とは、ポリペプチド単量体の完全な三次元構造のことを言う。「四次構造」とは、独立した三次単位の非共有的な会合によって形成される三次元構造のことを言う。異方性の項はエネルギー項としても知られている。]
[0055] 「投与」または「投与する」という用語は、目的の機能を実行するため化合物(単数または複数)を対象に導入する経路のことを言う。使用できる投与経路の例としては、注射(皮下、静脈内、非経口、腹腔内、髄腔内)、局所、経口、吸入、直腸、および経皮が挙げられる。]
[0056] 「有効量」という用語は、所望の結果を達成するために必要な投与量および期間にわたって有効な量のことを含む。化合物の有効量は、対象の病状、年齢、および体重などの要素、ならびに対象において所望の反応を引き起こすための化合物の能力に応じて変えることができる。投与計画は、最適な治療反応をもたらすように調整することができる。有効量はまた、治療に有効な作用がエラスターゼ阻害剤化合物のあらゆる毒性作用または有害作用(例:副作用)を上回る量である。]
[0057] 本明細書で使用される「全身投与」、「全身に投与した」、「末梢投与」、「末梢に投与した」という字句は、患者の体内に入れることで、代謝や他の同様のプロセスが施されるように、化合物(単数または複数)、薬剤、または他の材料を投与することを意味する。]
[0058] 「治療に有効な量」という用語は、治療中の疾患または疾病の1つ以上の症状の進行を防ぐ、または、該症状をある程度軽減させるのに十分な化合物の投与量のことを言う。]
[0059] 化合物の治療に有効な量(即ち、有効投与量)は、体重1kg当たり、約0.005μg/kg〜約200mg/kg、好ましくは、約0.1mg/kg〜約200mg/kg、より好ましくは、約10mg/kg〜約100mg/kgの範囲であってよい。他の実施形態では、治療に有効な量は、約1.0pM〜約500nMの範囲であってもよい。限定的ではないが、疾病または疾患の重症度、前に行われた治療、対象の全身状態および/または年齢、存在している他の疾病を含む一定の要因が、対象を効果的に治療するのに必要な投与量に影響を及ぼし得ることは当業者であれば分かるであろう。さらに、化合物の治療に有効な量による対象の治療は、単一の治療であってもよく、好ましくは、一連の治療であってもよい。一例において、対象は、体重1kg当たり、約0.005μg/kg〜約200mg/kgの範囲で、週一回で約1〜10週間、好ましくは、2〜8週間、より好ましくは、約3〜7週間、さらにより好ましくは、約4、5、または6週間にわたり化合物で治療される。治療に使用される化合物の有効投与量は、特定の治療の経過と共に増減できることが分かるであろう。]
[0060] 「キラル」という用語は、鏡像パートナーの非重畳可能な特性を有する分子のことを言い、「アキラル」という用語は、鏡像パートナーに重畳可能な分子のことを言う。]
[0061] 「ジアステレオマー」という用語は、2つ以上の非対称中心をもち、その分子は互いに鏡像ではない立体異性体のことを言う。]
[0062] 「鏡像異性体」という用語は、互いに非重畳可能な鏡像である、化合物の2つの立体異性体のことを言う。2つの鏡像異性体の等モル混合物は、「ラセミ混合物」または「ラセミ化合物」と呼ばれる。]
[0063] 「異性体」または「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なっている化合物のことを言う。]
[0064] 「プロドラッグ」という用語は、in vivoで代謝することができる部分をもつ化合物のことを言う。一般に、プロドラッグは、エステラーゼあるいは他の機構によりin vivoで実薬に代謝される。プロドラッグおよびそれらの使用例は、当該技術分野では周知である(例えば、Bergeら(1977)「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.66:1−19を参照されたい)。プロドラッグは、化合物の最終単離および精製中にin situで調製することができる、あるいは、その遊離酸形態あるいはヒドロキシルの精製化合物を適当なエステル化剤と別々に反応させることで調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸による処理を介してエステルに変換することができる。プロドラッグ部分の例としては、置換および未置換の、分枝または非分枝の低級アルキルエステル部分(例:プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ−低級アルキルアミノ、低級アルキルエステル(例:ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例:アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例:ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール−低級アルキルエステル(例:ベンジルエステル)、置換(例:メチル、ハロ、またはメトキシ置換基で置換)アリールおよびアリール低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド、ジ−低級アルキルアミド、およびヒドロキシアミドが挙げられる。好ましいプロドラッグ部分は、プロビオン酸エステルおよびアシルエステルである。in vivoで他の機構を通じて活性型に変換されるプロドラッグも含む。態様では、本発明の化合物は、本明細書のいずれの式のプロドラッグである。]
[0065] 「対象」という用語は、哺乳類などの動物のことを言い、限定的ではないが、霊長類(例:ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ネズミ、マウスなどが挙げられる。ある実施形態では、対象はヒトである。]
[0066] さらに、本発明の化合物は、いずれかの配置を有するオレフィンを含む:「Z」は、「シス」(同じ側)と呼ばれる配座のことを言い、「E」は、「トランス」(反対側)と呼ばれる配座のことを言う。キラル中心の命名に関して、「d」および「l」配置という用語は、IUPAC勧告の定義による。用語の使用について、ジアステレオマー、ラセミ体、エピマー、および鏡像異性体は、製剤の立体化学を説明するため通常の文脈で使用する。]
[0067] 本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素基のことを言う。「低級アルキル」という用語は、C1〜C6アルキル鎖のことを言う。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、およびn−ペンチルが挙げられる。アルキル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
[0068] 「アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合とを含む直鎖または分枝鎖であってもよい不飽和炭化水素鎖のことを言う。アルケニル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
[0069] 「アルキニル」という用語は、2〜12個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合とを含む直鎖または分枝鎖であってもよい不飽和炭化水素鎖のことを言う。アルキニル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
[0070] アルケニル基およびアルキニル基のsp2炭素またはsp炭素は、それぞれ、必要に応じて、アルケニル基またはアルキニル基の結合点であってもよい。]
[0071] 「アルコキシ」という用語は、−O−アルキルラジカルのことを言う。]
[0072] 本明細書で使用される「ハロゲン」、「ハル(hal)」、または「ハロ」という用語は、−F、−Cl、−Br、または−Iを意味する。]
[0073] 「シクロアルキル」という用語は、少なくとも1つの飽和環、または少なくとも1つの非芳香族環を有する炭化水素3〜8員の単環または7〜14員の二重環系のことを言い、非芳香族環は、ある程度の不飽和度を有してもよい。シクロアルキル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一実施態様では、シクロアルキル基の各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基で置換されていてもよい。シクロアルキル基の代表的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなどが挙げられる。]
[0074] 「アリール」という用語は、炭化水素の単環、二環、または三環式芳香環系のことを言う。アリール基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一実施態様では、アリール基の各環の0、1、2、3、4、5、または6個の原子は、置換基で置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニルなどが挙げられる。]
[0075] 「ヘテロアリール」という用語は、単環であれば1〜4個の環ヘテロ原子、二環であれば1〜6個のヘテロ原子、または三環であれば1〜9個のヘテロ原子を有し、前記ヘテロ原子はN、O、またはSから選択され、残りの環原子は炭素(特に指示がなければ適当な水素原子をもつ)である、芳香族の5〜8員の単環、8〜12員の二環、または11〜14員の三環系のことを言う。ヘテロアリール基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一実施態様では、ヘテロアリール基の各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、イソキノリニル、インダゾリルなどが挙げられる。]
[0076] 「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単環であれば1〜3個のヘテロ原子、二環であれば1〜6個のヘテロ原子、または三環であれば1〜9個のヘテロ原子を有し、前記ヘテロ原子はO、N、S、B、P、またはSiから選択され、非芳香族環系は完全に飽和している、非芳香族の3〜8員の単環、7〜12員の二環、または10〜14員の三環系のことを言う。ヘテロシクロアルキル基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一実施態様では、ヘテロシクロアルキル基の各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキル基の代表的な例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チイレニルなどが挙げられる。]
[0077] 「ヘテロシクリル」という用語は、単環であれば1〜3個のヘテロ原子を有し、二環であれば1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環であれば1〜9個のヘテロ原子を有し、前記ヘテロ原子は、O、N、S、B、P、またはSiから選択され、多環系における少なくとも1つの非芳香族環、および多環系における他の環は、非芳香族もしくは芳香族であってもよい、非芳香族の3〜8員の単環、7〜12員の二環、または10〜14員の三環系のことを言う。ヘテロシクリル基は、1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。ヘテロシクリル基の代表的な例としては、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ジヒドロベンゾフラニルなどが挙げられる。]
[0078] 「アルキルアミノ」という用語は、1つまたは2つのアルキル基でさらに置換されるアミノ置換基のことを言う。「アミノアルキル」という用語は、1つ以上のアミノ基でさらに置換されるアルキル置換基のことを言う。「ヒドロキシアルキル」または「ヒドロキシルアルキル」という用語は、1つ以上のヒドロキシル基でさらに置換されるアルキル置換基のことを言う。アルキルアミノ、アミノアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルコキシ、スルホニルアルキル、スルホニルアリール、アルキルカルボニル、およびアルキルカルボニルアルキルのアルキル部分またはアリール部分は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。]
[0079] 本明細書の方法に有用な酸および塩基は、当該技術分野では周知である。酸触媒は任意の酸性化合物であり、本質的に、無機(例:塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)であっても、有機(例:カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)であってもよい。酸は、化学反応を容易にするため触媒量であっても化学量論量であっても有用である。塩基は任意の塩基性化合物であり、本質的に、無機(例:重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム)であっても、有機(例:トリエチルアミン、ピリジン)であってもよい。塩基は、化学反応を容易にするため触媒量であっても化学量論量であっても有用である。]
[0080] アルキル化剤は、問題となる官能基(例:アルコールの酸素原子、アミノ基の窒素原子)のアルキル化をもたらすことが可能な任意の試薬である。アルキル化剤は、当該技術分野では周知であり、本明細書で引用した参照文献にあるものや、ハロゲン化アルキル(例:ヨウ化メチル、臭化ベンジル、または塩化ベンジル)、硫酸化アルキル(例:硫酸メチル)、または、当該技術分野では周知の他のアルキル基−離脱基の組み合わせが挙げられる。離脱基は、反応(例:脱離反応、置換反応)中に分子から離脱することができる任意の安定種である。離脱基は、当該技術分野では周知であり、本明細書で引用した参照文献にあるものや、ハロゲン(例:I−、Cl−、Br−、F−)、ヒドロキシ、アルコキシ(例:−OMe、−O−t−Bu)、アシルオキシアニオン(例:−OAc、−OC(O)CF3)、スルホネート(例:メシル、トシル)、アセトアミド(例:−NHC(O)Me)、カルバメート(例:N(Me)C(O)Ot−Bu)、ホスホネート(例:−OP(O)(OEt)2)、水またはアルコール(プロトン性条件)などが挙げられる。]
[0081] ある実施形態では、任意の基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルなど)上の置換基は、その基の任意の原子であってよく、置換可能な任意の基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルなど)は、必要に応じて、1つ以上の置換基(同一であっても異なっていてもよい)で置換されていてもよい。ここで、各々は、水素原子を置換する。適当な置換基の例としては、限定的ではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシルアルキル、オキソ(即ち、カルボニル)、カルボキシル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシカルボニル、チオ、メルカプト、メルカプトアルキル、アリールスルホニル、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルカルボニル、またはアリールアミノ−置換アリール;アリールアルキルアミノ、アラルキルアミノカルボニル、アミド、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、イミノ、カルバミド、カルバミル、グアニジニル、チオウレイド、チオシアナト、スルホアミド、スルホニルアルキル、スルホニルアリール、またはメルカプトアルコキシが挙げられる。]
[0082] 本発明の化合物および構造解明
Symploca sp.の試料は、フロリダキーズ、キーラーゴから集め、有機溶媒で抽出した。溶媒分配、シリカゲルクロマトグラフィー、および逆相HPLCにより、得られた細胞毒性の粗抽出物にバイオアッセイ誘導分画を施し、無色の非晶質固体としてラルガゾール(L)を得た{[α]20D+22(c0.1、MeOH)}。



(L)のHR−ESI/APCI−MSにおいてm/z 623.2397にピークがある[M+H]+と組み合わせた1Hおよび13CのNMRデータにより、分子式はC29H42N4O5S3(C29H43N4O5S3に対する計算値、623.2396)であると示唆された。表1を参照されたい。]
[0083] 3つのキラル中心の絶対配置を割り当てるため、我々の方策は、基準となる鏡像異性体が容易に入手可能な光学活性断片を生成することであった。すなわち、オゾン分解、続いて、酸化的後処理および酸加水分解により、2−メチルシステイン酸、バリン、リンゴ酸を生成した。正基準のものと滞留時間を比較しながら、生成物混合物についてキラルHPLC分析を行った。この分析によりL−バリン、(R)−2−メチルシステイン酸、およびL−リンゴ酸が同定され、(L)の絶対配置は2S、7R、17Sであると立証された。]
[0084] 表1.CDCl3(600MHz)中のラルガゾール(L)のNMRスペクトルデータ



aプロトンは、指示炭素へのHMBC相関を示している。b他に指示されない限り、nJ=7Hzに最適化。CJ=3.5Hzに最適化。]
[0085] ラルガゾール(L)は、本明細書で具体的に記載したものを含む、当該技術分野で周知の標準の合成化学手順および試薬を用いて、本明細書の式(I)および他の式のラルガゾール誘導体を提供するための誘導体化をもたらす出発点として用いることができる。例えば、スキームIを参照されたい。]
[0086] 本発明の化合物は、有機合成の技術分野では周知の手段により作製できる。例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John Wiley and Sons(1991);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);and L.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびその後の版に記載されているものが代表的かつ有益である。反応条件を最適化する方法、必要に応じて、競合する副生成物を最小限にする方法は、当該技術分野では周知である。]
[0087] 例えば、ラルガゾール(L)は、標準条件下(例、アミノリシス(NH3、アセトニトリル、またはメタノール)で加水分解して、メルカプタン(A)を得、これを標準条件下(例、酸化、H2O2、またはDEADなど)で別のメルカプタン(または、対称ジスルフィドに対する同一のメルカプタンの第2の分子)とカップリングさせて、ジスルフィド(B)を得ることができる。例えば、スキームIIを参照されたい。



R’=例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクリル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C)、各々は置換されていてもよい]
[0088] 反応の最適化やスケールアップには、高速パラレル合成機器やコンピュータ制御式マイクロリアクタを利用することが有利である(例えば、Design And Optimization in Organic Synthesis,2nd Edition,Carlson R,Ed,2005;Elsevier Science Ltd.;Jahnisch,Kら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.2004 43:406;およびそれらに記載の参照文献)。追加の反応スキームやプロトコルは、市販の構造解析データベースソフトウェア、例えば、SciFinder(登録商標)(米国化学会のCAS部門)やCrossFire Beilstein(登録商標)(Elsevier MDL)を用いて、または、Google(登録商標)などのインターネット検索エンジン、あるいは、米国特許商標局テキストデータベースなどのキーワードデータベースを用いた適当なキーワード検索で、当業者によって決定できる。]
[0089] 本明細書の化合物は、リンケージ(例:炭素−炭素結合)を含んでもよく、結合回転は、例えば、環または二重結合が存在することによる制限で、その特定のリンケージを中心にして制限されている。従って、シス/トランスおよびE/Z異性体は全て本発明に明示的に含まれる。本発明の化合物は、多数の互変異性型で表すこともでき、そのような場合、本発明は、互変異性型が1つしか表わされていなくても、本明細書に記載された化合物の全ての互変異性型を明示的に含む。本明細書のかかる化合物の全てのかかる異性体は、本発明に明示的に含まれる。本明細書に記載された化合物の全ての結晶体および多形体は、本発明に明示的に含まれる。本発明の化合物を含む抽出物および画分も具現化される。「異性体」という用語は、ジアステレオマー、鏡像異性体、位置異性体、構造異性体、回転異性体、互変異性体などを含むものとする。1つ以上の立体中心を含む化合物、例えば、キラル化合物において、本発明の方法は、鏡像異性的に濃縮された化合物、ラセミ化合物、またはジアステレオマーの混合物で行うことができる。]
[0090] 鏡像異性的に濃縮された化合物は、50%以上の鏡像体過剰率を有するのが好ましい。化合物は、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%以上の鏡像体過剰率を有するのがより好ましい。好適な実施形態では、本発明のキラル化合物の1つの鏡像異性体またはジアステレオマーのみを細胞または対象に投与する。]
[0091] 治療方法
本発明は、大環状化合物と、本明細書に記載の該化合物およびその組成物を用いた疾病および疾患の治療方法とに関する。]
[0092] 他の態様では、本発明は、HDAC関連疾患または疾病に対する治療が必要であると見なされた、HDAC関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法であって、前記対象が前記疾患に対して治療されるように、有効量の式Iの化合物または医薬組成物をそれを必要とする前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。かかる治療が必要である対象の同定は、対象または医療専門家の判断であってよく、主観的(例:意見)または客観的(例:試験又は診断法により測定可能)であってもよい。]
[0093] 一態様では、本発明は、細胞増殖活性を調節するのに十分な量および条件下で、式Iの化合物を対象に接触させる工程を含む、対象内の細胞の増殖活性を調節する方法を提供する。]
[0094] 一実施態様では、調節は阻害である。]
[0095] 別の態様では、本発明は、有効量の式Iの化合物または医薬組成物を対象に投与することを含む、細胞増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法を提供する。]
[0096] 他の態様では、本発明は、細胞増殖関連疾患または疾病に対する治療が必要であると見なされた、細胞増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法であって、前記対象が前記疾患に対して治療されるように、有効量の式Iの化合物または医薬組成物をそれを必要とする前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。かかる治療が必要である対象の同定は、対象または医療専門家の判断であってよく、主観的(例:意見)または客観的(例:試験又は診断法により測定可能)であってもよい。]
[0097] ある実施形態では、本発明は、前述の方法を提供し、ここで、式Iの化合物はラルガゾール誘導体である。]
[0098] ある実施形態では、本発明は、疾患の治療方法を提供し、ここで、疾患は癌(例:乳癌、大腸癌)または固形腫瘍である。]
[0099] ある実施形態では、対象は哺乳類であり、霊長類またはヒトが好ましい。]
[0100] 別の実施形態では、本発明は、前述の方法を提供し、ここで、式Iの化合物の有効量は、約0.005μg/kg〜約200mg/kgの範囲である。ある実施形態では、式Iの化合物の有効量は、約0.1mg/kg〜約200mg/kgの範囲である。別の実施形態では、式Iの化合物の有効量は、約10mg/kg〜100mg/kgの範囲である。]
[0101] 他の実施形態では、本発明は、前述の方法を提供し、ここで、式Iの化合物の有効量は、約1.0pM〜約500nMの範囲である。ある実施形態では、有効量は、約10.0pM〜約1000pMの範囲である。別の実施形態では、有効量は、約1.0nM〜約10nMの範囲である。]
[0102] 別の実施形態では、本発明は、前述の方法を提供し、ここで、式Iの化合物は、静脈内、筋肉内、皮下、脳室内、経口、または局所に投与される。]
[0103] 別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の方法を提供し、ここで、式Iの化合物は、細胞増殖活性(例:形質転換/非形質転換、MDA−MB−231/NMuMG、U2OS/NIH3T3細胞)において選択性(例:少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくともX倍、ここで、Xは、1以上20以下の任意の数である)を示す。別の態様では、式Iの化合物は、別の標準的な抗癌治療(例:パクリタキセル、アクチノマイシンD、ドキソルビシン)に対して、細胞増殖活性を調節する選択性(例:少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくともX倍、ここで、Xは、1以上20以下の任意の数である)を示す。]
[0104] 他の実施形態では、本発明は、前述の方法を提供し、ここで、式Iの化合物は、単独または1つ以上の他の治療と併用して投与される。別の実施形態では、追加治療薬は、抗癌剤、化学療法剤、抗血管形成剤、細胞毒性剤、または抗増殖剤である。かかる化学療法剤の例としては、限定的ではないが、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン、ブレオマイシン、マホスファミド、イホスファミド、シトシンアラビノシド、ビス−クロロエチルニトロソウレア、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニソン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン(CA)、5−アザシチジン、ヒドロキシウレア、デオキシコホルマイシン、4−ヒドロキシペルオキシシクロホスホルアミド、5−フルオロウラシル(5−FU)、5−フルオロデオキシウリジン(5−FUdR)、メトトレキセート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、トリメトレキセート、テニポシド、シスプラチン、およびジエチルスチルベストロール(DES)が挙げられる。一般には、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,15th Ed.,pp.1206−1228,Berkowら、eds.,Rahay,N.J.,1987を参照されたい。]
[0105] 本発明の別の目的は、細胞増殖疾患または疾病の治療に用いる薬剤の製造において、または、細胞分化、脱分化、または分化転換に影響を及ぼすために、本明細書に記載の化合物(例:本明細書のいずれの式)を使用することである。本発明の別の目的は、細胞増殖疾患または疾病の治療に用いるため、または、細胞分化、脱分化、または分化転換に影響を及ぼすために、本明細書に記載の化合物(例:本明細書のいずれの式の化合物)を使用することである。]
[0106] 医薬組成物
一態様では、本発明は、式Iの化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。]
[0107] 一実施態様では、本発明は、式Iの化合物がラルガゾール誘導体と薬学的に許容される担体とである医薬組成物を提供する。]
[0108] 別の実施形態では、本発明は、追加治療薬をさらに含む医薬組成物を提供する。別の実施形態では、追加治療薬は、抗癌剤、化学療法剤、抗血管形成剤、細胞毒性剤、または抗増殖剤である。]
[0109] 一態様では、本発明は、記憶喪失、神経形成を誘発する、神経変性を阻害する、記憶保持を高める、記憶形成を高める、シナプス電位またはシナプス伝達を増加させる、あるいは長期増強(LTP)を増加させることなどを含むHDAC介在性疾病または疾患を患っているまたは該疾患に罹り易い対象に化合物を投与するための説明書と共に、単位投与剤形で有効量の式Iの化合物を含むキットを提供する。]
[0110] 一態様では、本発明は、癌、固形腫瘍、血管形成などを含む細胞増殖性疾病または疾患を患っているまたは該疾患に罹り易い対象に化合物を投与するための説明書と共に、単位投与剤形で有効量の式Iの化合物を含むキットを提供する。]
[0111] 一態様では、本発明は、本明細書に記載の疾病または疾患を患っているまたは該疾患に罹り易い対象に化合物を投与するための説明書と共に、単位投与剤形で有効量の式Iの化合物を含むキットを提供する。]
[0112] 「薬学的に許容される塩」または「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書に記載された化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性である酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を含む場合、塩基付加塩は、塩基が純粋なものかまたは適当な不活性溶媒中の何れかで、十分な量の所望の塩基と中性のかかる化合物とを接触させることにより得られ得る。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、またはマグネシウム塩、あるいは同様の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能性を含む場合、酸付加塩は、酸が純粋なものかまたは適当な不活性溶媒中の何れかで、十分な量の所望の酸と中性の化合物とを接触させることにより得られ得る。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨー化水素酸、または亜リン酸などの無機酸から誘導されるもののみならず、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的非毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。アルギニン酸などのようなアミノ酸の塩、およびグルクロン酸、またはガラクツロン酸(galactunoric acids)などのような有機酸の塩も挙げられる(例えば、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Science 66:1−19(1977)を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、化合物を塩基または酸付加塩の何れにも変換し得る塩基および酸官能性の両方を含む。当業者に周知の他の薬学的に許容される担体は本発明に適する。]
[0113] 中性の化合物は、通常の方法で、塩と塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することにより再生し得る。親型の化合物は、極性溶媒中での溶解性のような特定の物理的特性において種々の塩形態と異なるが、他の点については、塩は、本発明の目的の親型の化合物と等価である。]
[0114] 塩形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態で化合物を提供する。本明細書に記載された化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受け、本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境で化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬と共に経皮貼付容器内に配置された場合、徐々に本発明の化合物に変換され得る。]
[0115] 本発明の特定の化合物は、非溶媒型のみならず、水和型を含む溶媒型で存在し得る。一般に、溶媒型は非溶媒型と等価であり、それは本発明の範囲内に含まれるものとする。本発明の特定の化合物は、多結晶または非結晶質形で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本発明により意図される使用に適当(equivalent)であり、本発明の範囲内にあると意図している。]
[0116] 本発明は、有効量の本明細書に記載された化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も提供する。一実施形態では、化合物は、薬学的に許容される製剤、例えば、薬学的に許容される製剤を対象に投与した後、少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、または4週間にわたって化合物を対象に徐放する薬学的に許容される製剤を用いて対象に投与される。]
[0117] 本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルおよび投与の時間経過は、患者にとって毒性(許容できないほど毒性)ではない限り、特定の患者、組成物および投与様式に対する所望の治療反応を達成するのに効果的な活性成分の量を得るように変更することができる。]
[0118] 使用時、本発明による少なくとも1つの化合物は、静脈内、筋肉内、皮下、または脳室内への注射、あるいは、経口投与または局所塗布により、薬学的担体でそれを必要とする対象に薬学的に有効な量で投与される。本発明によれば、本発明の化合物は、単独または第2の異なる治療と併用して投与してもよい。「と併用する」とは、実質的に同時または連続的に一緒であることを意味する。一実施態様では、本発明の化合物は急性投与される。従って、本発明の化合物は、約1日〜約1週間などの短期間の治療で投与してもよい。別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、治療される状態に応じて約1週間〜数ヶ月など、慢性疾患の改善により長期間にわたって投与してもよい。]
[0119] 本明細書で使用される「薬学的に有効な量」とは、信頼しうる医療的判断の範囲内にあって、治療される状態を大幅によい方向に改善するのに十分な量であるが、重篤な副作用を(合理的な受益性/危険性比率で)回避するのに十分少ない量である、本発明の化合物の量のことを意味する。本発明の化合物の薬学的に有効な量は、達成すべき特定の目標、治療中の患者の年齢および健康状態、基礎疾患の重症度、治療期間、併用療法の性質、および使用する特定の有機亜鉛化合物に応じて変えてもよい。例えば、小児または新生児に投与する本発明の化合物の治療に有効な量は、信頼しうる医療的判断に応じて、比例的に減らされるであろう。従って、本発明の化合物の有効量は、所望の作用をもたらす最小量である。]
[0120] 本発明の明確な実用面での利点は、静脈内、筋肉内、皮下、経口、または脳室内への注入経路、あるいは、クリーム剤またはゲル剤などの局所塗布により、従来の方法で化合物を投与できる点である。投与経路に応じて、本発明の化合物を含む有効成分を、化合物を不活性化するであろう酵素や酸や他の自然条件の作用から化合物を保護するための物質でコーティングすることが必要とされる。非経口投与以外で本発明の化合物を投与するために、化合物に不活性化を防ぐ物質でコーティングしてもよいし、該物質と併用投与してもよい。]
[0121] 化合物は、非経口または腹腔内投与してもよい。分散液は、例えば、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物、ならびに油中で調製できる。]
[0122] 注射用途に適した製薬学的形態としては、無菌の水溶液(水溶性)または分散液および、無菌の注射用溶液または分散液を即席に製造するための無菌の粉末が挙げられる。すべての場合において、形態は無菌でなければならず、シリンジによる扱いが容易な程度に流動的でなければならない。形態は、製造及び保存の条件下で安定でなければならない。担体は、例えば、水、DMSO、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、および植物油を含む溶剤または分散媒体であってもよい。適した流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用や、分散液の場合は必要な粒径の保持により維持することができる。多くの場合、等張化剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むのが好ましい。注射用組成物の長期の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンを組成物中に用いることにより行うことができる。]
[0123] 無菌の注射用溶液は、適当な溶媒中で必要量の本発明の化合物を上記で挙げた必要な他の種々の成分と混合し、続いて濾過滅菌することにより調製される。一般に、分散液は、種々の滅菌化合物を塩基性(basic)分散媒体および上記で挙げた成分から必要な他の成分を含む無菌の賦形剤中に組み込むことにより調製される。無菌の注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製法は、真空乾燥および凍結乾燥法であり、それにより、あらかじめ無菌濾過されたその溶液から有効成分および他の追加の所望の成分の粉末を得る。]
[0124] 経口治療投与においては、化合物は、賦形剤と混合して、服用可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウェーハ剤等の形で使用し得る。本発明による組成物または製剤は、経口単位投与量形態が対象内の疾患の治療に十分な化合物濃度を含むように調製される。]
[0125] 薬学的担体として機能できるいくつかの材料の例としては、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;コーンスターチおよびジャガイモでんぷんなどのでんぷん類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール類;寒天;アルギン酸;発熱物質なしの水;等張食塩水;リン酸緩衝液;脱脂粉乳;のみならず、例えば、ビタミンC、エストロゲン、およびエキナシアなどの医薬製剤に使用される他の非毒性の適合性物質が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤や潤滑剤、ならびに、着色剤、着香料、潤滑剤、賦形剤、錠剤形成剤、安定剤、酸化防止剤、および防腐剤も存在していてもよい。]
[0126] 本明細書の変数の定義における化学基のリストの列挙は、任意の単一基またはリストされた基の組み合わせとしての変数の定義を含むものである。本明細書の変数における実施形態の列挙は、任意の単一実施形態、あるいは、任意の他の実施形態またはその一部と組み合わせたものとしての実施形態を含むものである。]
[0127] 本明細書のスキームにおける構造の変数の定義は、本明細書に記載の式における対応位置のものに相当すると見なされるべきである。]
[0128] 実施例
特定の実施例を用いて本発明について説明するが、本発明を限定するものとみなすべきではない。]
[0129] 一般的な実験手順
1Hおよび13CのNMRデータは、それぞれ、600MHzと150MHzで動作する5mmプローブを備えたBruker Avance 600MHzスペクトロメータで取得した。2D NMRデータは、内標準として残渣溶媒シグナル(δH 7.26ppm、δC 77.0ppm)を用いて、1mm三重共鳴高温超電導低温プローブを備えたBruker Avance II 600MHz上で記録した。HSQC実験は1JCH=145Hzに対して最適化し、HMBC実験はnJCH=7または3.5Hzに対して最適化した。ESI(正モード)により、ThermoFinnigan LCQを備えたAgilent 1100を用いてLC−MSデータを入手した。ESI/APCIマルチモードイオン源検出器を備えたAgilent LC−TOF質量分析計を用いてHRMSデータを入手した。ResCom(DSMPharma Chemicals)によって提供された(R)−および(S)−2−メチルシステイン(下記参照)を酸化させることで、2−メチルシステイン酸の鏡像異性体標準物を得た。バリン、グリシン、およびリンゴ酸の標準物はSigmaから入手した。パクリタキセル、アクチノマイシンD、およびドキソルビシンはEMD Chemicals,Incから入手した。]
[0130] 実施例1:抽出および単離
Symploca sp.の試料は、2003年8月にPillars、キーラーゴ(フロリダキーズ、USA)から集めた。試験体は、この属と一致した直立の、琥珀色の、羽毛状のフィラメントを有していた。測定したフィラメントは、微細な鞘を含む、幅が5〜6μm、長さが8〜9μmであった。Symploca sp.をフリーズドライし、MeOH−EtOAc(1:1)で抽出した。得られた親油性抽出物(0.29g)をヘキサンと20%MeOH水溶液との間に分画した。MeOH水層を濃縮し、増量したi−PrOHとそれに続いてMeOHとを含むCH2Cl2を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより分画した。MeOH−H2O直線勾配(40〜100%で75分間、その後、100% MeOHで10分間)を用いて、5% i−PrOHで溶離した画分に逆相HPLC(YMC−packODS−AQ、250×10mm、2.0mL/分;220nmおよび254nmで検出)を行った。化合物LはtR61.5分で溶離した(1.2mg)。]
[0131] ラルガゾール(L):無色の非晶質固体;[α]20D+22(c0.1、MeOH);UV(MeOH)(log ε)210(4.07)、260(sh)(3.61);IR(フィルム)vmax 2924、2853、1725、1694、1611、1659、1641、1630、1596、1512、1249、1117、1067、1034、894cm−1;1H NMR、13C NMR、およびHMBCデータについては表1を参照;HR−ESI/APCI−MS m/z[M+H]+623.2397(C29H43N4O5S3に対する計算値:623.2396)。]
[0132] LC−MSn分析:化合物(L)の試料は、直線勾配(5〜95%で65分間)を用いて、LC−MS[カラム:Waters Corp.,Atlantis dC18 3μm、2.1×150mm;移動相:(A)MeOH中の0.5%HCOOH、(B)H2O中の0.5%HCOOH;流量:0.15mL/分]によって分析した。MS範囲(tR51.1分、m/z623)の最も強力なイオンの(+)ESI−MS(m/z200〜1600)のみならず、m/z623[M+H]+イオンのMS/MSおよび依存性MS/MS/MSについても行った。]
[0133] 実施例2:細胞培養
細胞培地はInvitrogenから購入し、胎仔ウシ血清(FBS)はHycloneから購入した。細胞を増殖させ、10%FBSで補充したDMEM培地(高グルコース)で37℃の加湿空気および5%CO2にて維持した。]
[0134] 実施例3:細胞生死判別アッセイ
10%FBSを含むDMEMに懸濁させた細胞を96ウエルプレートに載置し(MDA−MB−231:12,000細胞;NMuMG:5,000細胞;U2OS:5,000細胞;HT29:10,000細胞;IMR−32:30,000細胞;NIH3T3:5,000細胞)、インキュベートし(37℃、5%CO2)、24時間後に種々の濃度の試験化合物または溶媒対照(1%EtOH)で処理した。さらに48時間のインキュベーションの後、取扱説明書(Promega)に従ってMTTを用いて細胞生死判別を測定した。]
[0135] 実施例4:抗癌治療活性
MDA−MB−231細胞およびNMuMG細胞についても同様に、パクリタキセル(DMSO中)、アクチノマイシンD(DMSO中)、およびドキソルビシン(H2O中)、ならびに対応する溶媒対照(1%)で処理した。GI50およびLC50値を前述のように算出した(K.D.Paull,E.Hamel,L.Malspeis,In Cancer Chemotherapeutic Agents,W.E.Foye,Ed.,American Chemical Society,Washington,DC,1995,pp.10−11)。
−GI50:濃度、ここで、100×(T−T0)/(C−T0)=50;
−LC50:濃度、ここで、100×(T−T0)/T0=−50。
[T=処理ウエルの吸光度(48時間);T0=時間0での吸光度;C=対照ウエルの吸光度(48時間)]]
[0136] 実施例5:HDAC阻害
試験化合物がHDACを阻害する能力については、本明細書に記載のものを含む、当該技術分野で周知の方法によって評価される:]
[0137] In vitro細胞HDAC活性アッセイ。ウエル1枚当たり3.5×103細胞/ウエルの密度の培地100μLでHCT−116細胞を播種し、無菌の96ウエルソリッドボトムプレートで24時間増殖させた。取扱説明書(BIOMOL)に従ってアッセイを行った。簡潔に言えば、24時間後に、その培地を200μM fluor de Lys(登録商標)基質と、1μMトリコスタチンA(陽性対照)と、1μM〜3.2nM(lg/2倍希釈)の範囲の試験化合物(ラルガゾール、アセチル誘導体)と、10μM〜300pMの範囲のチオール化合物とを含む50μL/ウエルの培地に交換した。プレートを37℃で8時間インキュベートする。処理時間の後、2μMのTSAを含む1X fluor de Lys(登録商標)展開剤を1ウエル当たり50μL添加する。展開剤の添加後、プレートを37℃で15分間インキュベートし、蛍光を読み取る(Ex360nm、Em460nm)。]
[0138] イムノブロット解析。HCT−116細胞(650,000 細胞/皿)を10cm皿に播種し、24時間後に、種々の濃度のラルガゾール、トリコスタチン、または溶媒対照(ラルガゾールにはEtOH、トリコスタチンにはDMSO)で処理した。8時間インキュベーションした後、PhosphoSafeリシス緩衝液(Novagen)を用いて全細胞溶解物を調製し、タンパク質を抽出し、BCA方法(Pierce)を用いてタンパク質濃度を測定した。等量のタンパク質を含む細胞溶解物をSDS−PAGEで分離し、PVDF膜に転移させ、抗体でプローブし、Supersignal Femtoウェスタンブロッティングキット(Pierce)で検出した。抗アセチルヒストンH3(Lys9/18)および抗ヒストンH3一次抗体はMilliporeから入手し、抗ウサギ二次抗体と共役させた西洋ワサビペルオキシダーゼはCell Signalingから購入した。]
[0139] 無細胞酵素アッセイ。アッセイ緩衝液(ブランクでは25ul、対照では10ul)と、1μMトリコスタチンと、試験阻害剤(10μM〜300pMの範囲)とをマイクロタイタプレートの実験試料ウエルに添加する。HeLa細胞(BIOMOL)から抽出したHDAC富化核タンパク質抽出物(15uL中に5μg)を、酵素を含まない対照を除いた全てのウエルに添加する。アッセイプレートを37℃で平衡化した後、25μlの基質fluor de Lys(登録商標)基質を添加し、116μMの最終濃度にした。HDAC反応を15分間進行させた後、2μMのTSAを含む1X fluor de Lys(登録商標)展開剤を1ウエル当たり50μL添加して反応を停止させた。展開剤の添加後、プレートを37℃で15分間インキュベートし、蛍光を読み取る(Ex360nm、Em460nm)。]
[0140] 精製酵素を用いたHDACアッセイ。HDAC活性源としてHeLa核抽出物を用いた上記と同様にして、クラスIおよびクラスIIの異なる純度のHDACを用いてアッセイを実行し、特異性を評価することができる。]
[0141] 参照文献
(1)(a)Koehn,F.E.;Carter,G.T.Nat.Rev.Drug Discov.2005,4、206−220。(b)Paterson、I.;Anderson,E.A.Science 2005,310,451−453。
(2)Fenical,W.;Jensen,P.R.Nat.Chem.Biol.2006,2,666−673。
(3)Gerwick,W.H.;Tan,L.T.;Sitachitta,N.AlkaloidsChem.Biol.2001,57,75−184。
(4)Luesch,H.;Moore,R.E.;Paul,V.J.;Mooberry,S.L.;Corbett,T.H.J.Nat.Prod.2001,64,907−910。
(5)(a)Gerwick、W.H.;Proteau、P.J.;Nagle,D.G.;Hamel,E.;Blokhin,A.;Slate,D.L.J.Org.Chem.1994,59,1243−1245。(b)Verdier−Pinard,P.;Lai,J.−Y.;Yoo,H.−D.;Yu,J.;Marquez,B.;Nagle,D.G.;Nambu,M.;White,J.D.;Falck,J.R.;Gerwick,W.H.;Day,B.W.;Hamel,E.MoI.Pharmacol.1998,53,62−76。
(6)(a)Luesch,H.;Yoshida,W.Y.;Moore,R.E.;Paul,V.J.;Corbett,T.H.J.Am.Chem.Soc.2001,123,5418−5423。(b)Luesch,H.;Chanda,S.K.;Raya,M.R.;DeJesus,P.D.;Orth,A.P.;Walker,J.R.;Izpisua Belmonte,J.C;Schultz,P.G.Nat.Chem.Biol.2006,2,158−167。]
[0142] 引例による組み込み
本明細書に引用した全ての引例(参照文献、発行済み特許、公開特許出願、および同時係属特許出願)の内容は、参照によってそれらの内容全体を本明細書に明確に引用したものとする。]
[0143] 均等物
当業者であれば、本明細書に具体的に記載されている本発明の具体的な実施形態に対する多くの均等物を、通常のルーチン実験以上のことをすることなく、認識し、確認することができるであろう。かかる均等物も、本特許請求の範囲に含まれるものとする。]
权利要求:

請求項1
式Iによる化合物:式中:各X1は独立して、N、O、またはSであり;各X2は独立して、N、O、またはSであり;各X3は独立して、N、O、またはSであり;各Rは独立して、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルであり;各R1は独立して、Hまたは置換基を有していてもよいアルキルであり;各R2は独立して、−SR、−SC(O)R、−SSR、−N(OH)C(O)R、−C(O)NH(OH)、またはSSR9であり;各R3は独立して、H、置換基を有していてもよいアルキル、C(O)OR、またはC(O)NRRであり;各R4は独立して、H、置換基を有していてもよいアルキル、C(O)OR、またはC(O)NRRであり;各R5は独立して、R2で置換されたアルキルまたはアルケニルであり;各R6は独立して、Hまたはアルキルであり;各R7は独立して、Hまたはアルキルであり;各R8は独立して、Hまたはアルキルであり;各R9は独立して、各は独立して、単結合または二重結合であり;各R10は独立して、OR、SR、またはNRRであり;各nは独立して、0以上10以下の整数であり;およびその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物である。
請求項2
各R5が独立して、である請求項1に記載の化合物。
請求項3
R1がイソプロピルである請求項2に記載の化合物。
請求項4
前記化合物が表Aの化合物1〜8のいずれかである請求項1に記載の化合物。
請求項5
R1がイソプロピルであり、R3およびR4が両方ともHであり、R6およびR7が両方ともHであり、R8がメチルであり、X1およびX2が両方ともSであり、X3がOであり、かつ、nが0、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である請求項1に記載の化合物。
請求項6
X1およびX2が両方ともSである場合、X3がOであり、各R5が独立して、であり、nが2であり、各R2が独立して、−SSR、−N(OH)C(O)R、−C(O)NH(OH)、またはSSR9である請求項1に記載の化合物。
請求項7
各R5が独立して、である請求項1に記載の化合物。
請求項8
請求項1に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
請求項9
請求項1に記載の化合物が、化合物1〜8のいずれかと、薬学的に許容される担体とである請求項8に記載の医薬組成物。
請求項10
追加治療薬をさらに含む請求項9に記載の医薬組成物。
請求項11
前記追加治療薬が、抗癌剤、化学療法剤、抗血管形成剤、細胞毒性剤、または抗増殖剤である請求項10に記載の医薬組成物。
請求項12
細胞増殖疾患を患っているまたは前記疾患に罹り易い対象に前記化合物を投与するための説明書と共に、単位投与剤形で有効量の請求項1の化合物を含むキット。
請求項13
細胞増殖を調節するのに十分な量および条件下で、請求項1に記載の式Iの化合物を対象に接触させる工程を含む、前記対象内の細胞増殖の活性を調節する方法。
請求項14
前記細胞が癌細胞である請求項13に記載の方法。
請求項15
前記細胞が腫瘍細胞である請求項13に記載の方法。
請求項16
前記調節が阻害である請求項13に記載の方法。
請求項17
細胞増殖関連疾患または疾病に対する治療が必要であると見なされた、細胞増殖関連疾患または疾病を患っているまたは該疾患に罹り易い対象の治療方法であって、前記対象が前記疾患に対して治療されるように、有効量の式Iの化合物または医薬組成物をそれを必要とする前記対象に投与する工程を含む方法。
請求項18
式Iの前記化合物が化合物1〜8の1つである請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項19
前記疾患が、癌、固形腫瘍、大腸癌、乳癌、骨癌、脳腫瘍、および他の疾患(例:骨肉腫、神経芽細胞腫、結腸腺癌など)である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項20
前記疾患が血管形成疾患である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項21
前記疾患が固形腫瘍である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項22
前記対象が哺乳類である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項23
前記対象が霊長類またはヒトである請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項24
式Iの前記化合物の有効量が、約0.005μg/kg〜約200mg/kgの範囲である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項25
式Iの前記化合物の有効量が、約0.1mg/kg〜約200mg/kgの範囲である請求項24に記載の方法。
請求項26
式Iの前記化合物の有効量が、約10mg/kg〜100mg/kgの範囲である請求項25に記載の方法。
請求項27
式Iの前記化合物の有効量が、約1.0pM〜約500nMの範囲である請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項28
式Iの前記化合物を静脈内、筋肉内、皮下、脳室内、経口、または局所に投与する請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項29
式Iの前記化合物を単独または1つ以上の他の治療と併用して投与する請求項13または請求項17に記載の方法。
請求項30
前記追加治療薬が、抗癌剤、化学療法剤、抗血管形成剤、細胞毒性剤、または抗増殖剤である請求項29に記載の方法。
請求項31
有効量の化合物1〜8のいずれかと、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする前記対象に投与する工程を含む、癌または腫瘍の治療方法。
請求項32
有効量の化合物1〜8のいずれかと、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする前記対象に投与する工程を含むヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)介在性疾病または疾患の治療方法。
請求項33
有効量の化合物1〜8のいずれかと、その薬学的に許容される塩とを、それを必要とする前記対象に投与する工程を含む皮膚T細胞リンパ腫の治療方法。
請求項34
有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、前記対象内の記憶喪失を治療する、神経形成を誘発する、神経変性を阻害する、記憶保持を高める、記憶形成を高める、シナプス電位またはシナプス伝達を増加させる、あるいは長期増強(LTP)を増加させる方法。
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